甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています
さらに、遥が以前キャバクラのようないわゆる夜の店で働いていたのではないかと勘違いしていた恥ずかしさも相まって、その日は告白もしないで彼女を家まで送っていった。
ようやくピアスを渡せたのも、大人げない嫉妬にかられて告白した時だった。
大人の余裕を見せてスマートに事を運びたいのに、遥に関しては全くもってうまくいかない。
彼女に溺れてしまっていて、自分でも余裕の無さを自覚している。
それは俺の職業柄のせいでもあると思う。
医者という仕事はとにかく忙しく、プライベートな時間を削られることも少なくない。
以前まではそれを特に問題だと思ったこともなかった。仕事や勉強が楽しかったし、休日は気のおけない友人と時間を過ごす。
研修医時代に告白されて付き合った佐々木麗子とも、どちらかといえば同僚の延長という感覚しかなく、互いに病院に呼び出されれば休日でも向かわざるを得ないのもわかっていたし、特に何とも思わなかった。
しかし、遥だけは違う。
寂しい思いをさせたくない。いつだって会いたい時にすぐに会いたい。だがそれは自分の職業柄難しいことだった。
それを正直に打ち明けても遥は俺の想いに頷いてくれて、気持ちを返してくれる。
愛しさは際限なく募っていき、もう彼女以外は女性に見えないと本気で思ってしまうほどだった。