甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

そんなことをずっとぐるぐると考えて過ごした日曜日。玄関前にまだ悠さんがいるかもしれないと思うと一歩も外に出られなかった。

それでも月曜日からは仕事がある。私は泣きすぎて腫れぼったい瞼を何とか冷やして職場へ向かった。


なんとか仕事をこなし続けた1週間。8月ということもあって比較的仕事量が少なかったからこそ乗り越えられた。

その週の金曜日、出勤してきた朱音ちゃんがいつものカジュアルな雰囲気とは違うテイストの服だったのが目に入った。

最近は一緒にいるところを見かけないけど、よく2人でランチに出かけていた友藤さんと仕事終わりにデートでもあるんだろうか。

朱音ちゃんが恋愛経験の少ない男性がいいと言っていたのは知っているけど、友藤さんとの仲の良さそうなやりとりを見ていると、もしかしたらと勘ぐりたくなる。

自分の中にある憂鬱さを忘れるように、可愛いワンピースに身を包んだ朱音ちゃんにからかい口調で「デートなの?」と聞いてみると、まさかの「今日、合コンなんだ」という驚きの答えが返ってきた。

呆気に取られていると、苦笑した朱音ちゃんは今日も地下の資料室を整理すると言って、いくつかのファイルを持ってフロアを出ていった。


< 153 / 188 >

この作品をシェア

pagetop