甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

てっきり友藤さんとうまくいきそうなんだと思っていたのに…。

なぜか自分のことのようにショックに感じている自分に驚く。

いつか2人でランチを食べながら話した感じだと、口で言うほど朱音ちゃんは友藤さんのことを嫌っているとは思えなかった。
むしろ惹かれていくのに戸惑っているように見えた。

それなのに合コンに参加するだなんて、朱音ちゃんは友藤さんへの想いを断ち切ろうとしているということ?

やはり彼の女性関係は噂通りなんだろうか。

そうだとしたら、友藤さんは朱音ちゃんをからかっていただけ…?あんなに朱音ちゃんのことを気にかけていたのに?

2人の関係なんて私にはわからないのに、勝手にモヤモヤしてしまう。

それはきっと朱音ちゃんと話した時に彼女が言っていた『もう嫉妬して苦しい思いはしたくないもん。過去の女に妬くなんて生産性がないのはわかってるんだけどさ』という言葉に、痛いほど共感したのを覚えているから。

そんな身勝手な思いから、私は事務のフロアを見つめる友藤さんに対して初めて自分から声を掛けた。

「朱音ちゃんなら資料室ですよ」

急に声を掛けられて少し驚いた表情をしていた友藤さんを気にせず言葉を続けた。


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