甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています
周りの噂や嘘の声の大きさに惑わされて、自分だけじゃなく悠さんまで疑ってしまった。
それは私が自分に自信がないからだとわかっている。
うじうじ悩んでいたって何も変わらない。
それなら、私を見つめるこの瞳を信じられるように、自分に自信を持てるように努力しよう。悠さんの隣に胸を張って立てるように。
私を包み込んでくれている腕から抜け出して、悠さんと膝を突き合わせるように向かい合う。
そして、彼の目を真っ直ぐに見つめたまま正直に自分の気持ちを打ち明けた。
「私、…佐々木さんみたいに美人じゃないし、お医者さんじゃないから同じ視点で悠さんを支えることも出来ません」
「遥、そんなこと」
悠さんが眉間に皺を寄せ、何か反論をしてくれそうなのを遮って「でもね…」と続ける。
「でも…悠さんが好きです。大好きです。何も出来ないし、家柄だって普通だし、仕事だってまだバイトだけど…、でも誰にも負けないくらい悠さんが好きです…!」
私の拙い告白に目を瞠る悠さん。
「佐々木さんから悠さんの隣にいるのは私みたいな子供じゃだめだって言われて不安になって…、一方的に話も聞かずに悠さんを責めてごめんなさい。でも、頑張って悠さんの隣に立つのに相応しい女性になるようにな……っ」
拙くも必死に伝えた私の意気込みは、最後まで言葉になることなく悠さんの唇に飲み込まれていく。