甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

◇◇◇

「疲れたでしょ。紅茶でも淹れようか」

1時間半ほど実家で過ごし、帰りに夕食をとって帰ってきたマンション。

緊張で疲れただろうと遥をソファに座らせ、自分のコーヒーと遥には香りの良いアップルティーを淹れて渡す。

「ありがとうございます。はぁー、緊張しましたぁ」
「父さんも母さんも遥のこと気に入ったみたいだったね。まぁ心配はしてなかったけど」
「ふふ、そうだったら嬉しいんですけど」

ようやく気が抜けたのか、へにゃりとした笑顔をこちらに向ける遥の腕には、ずっと車の助手席に置いてあった特大サイズのウニが収まっている。

帰りの車内で、ようやくウニ貯金が貯まったので買い取らせてほしいと言われ驚いた。

あの時は確かに『後日俺から買ったら良い』と言いはしたが、当然遥からお金を受け取ろうだなんて思っていない。

当時はまだ出会ったばかりで付き合ってもなかったし、店ではしゃいでしまうほど気に入ってる様子のぬいぐるみをどうしても俺が買ってあげたくて出た苦肉の策だった。

それをまさかきちんと払うために少しずつ貯金をしていたと聞き、健気さに胸が疼く。

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