甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

「遥ちゃんは今日も九条先生と社食かな?」
「いや、どうかなぁ…」

実際、初日と昨日はレントゲンが終わるのを九条先生と私で待った後、2人で社食に行き昼食を取った。
だからといって今日もそうなるとは限らないんだけど。実は少しだけ期待している自分がいる。

「中原さん、今日も私達とランチ行きません?」
「あ、嬉しい!またご一緒していいですか?」
「もちろん。じゃあ瀬尾さん、頑張って!また帰りに色々聞かせてね」

さっさと白衣を脱いでしまった織田さんや三橋さんに、朱音ちゃんもついていく。

「朱音ちゃん」
「ふふ、だって邪魔したら悪いし」
「邪魔なんて!」

そんなことあるわけないのに。織田さんたちにつられて悪ノリしちゃって、朱音ちゃんたら。
振り返って手を振ってくれたものの、あっさり私を置いてお昼休憩に出ていってしまった。

仕方がないので問診を行っている部屋の前で待機し、最後の受診者をエレベーターへ誘導したあと、九条先生以外の医師2人にお昼休憩を促す。

「お疲れ様」
「お疲れさまです、先生」

今日も輝くほどイケメンな九条先生は、疲れなど一切見せずに爽やかな笑顔を向けてくれる。

美人は3日で飽きるということわざも、先生を見れば嘘だと主張せざるを得ない。何度この柔らかい微笑みを見ても、毎回律儀にドキドキさせられてしまうのだから。

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