甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

「あったー!おっきい!可愛い!」

お気に入りを見つけて、つい駆け寄って抱っこしてみる。

クマだか犬だかわからないフォルムに、きょとんとしたとぼけた表情。手触りは極上で、テディベアのように毛足が長くないから夏でも抱っこできる。

『ウニ』という名前で、意味はフィンランド語で『夢』。

大・中・小と3種類の大きさがあり、実は1番小さいのはすでに家のベッドにいたりする。リビングではなくてベッドなのは、一緒に寝るといい夢を見られそうだから。

ちなみにキーホルダーもこのウニのシリーズ。とにかく可愛くて大好きなのだ。

「可愛い」

いつの間にか背後に来ていた九条先生が、クスッと笑って私の抱いている1番大きなサイズのウニを見る。

「可愛いですよね!私この子とってもお気に入りで。でもこの大きさって日本じゃ他の店舗には置いてないから、いつか来たいと思ってたんです」

自分が好きな物を先生も可愛いと言ってくれた。なんだか嬉しくてつい興奮してしまう。

「いや、そのぬいぐるみも可愛いけど。それを抱っこしてる瀬尾さんが可愛いなって」

また…、また可愛いって…!
さらっと笑顔でそんなことを言われて、照れずにいられる神経を持ち合わせていない。

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