甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています
「時給が良くて本名を使わず、ドリンク代が高い、服装が恥ずかしくて客は男性…。あぁ、なるほど…メイド喫茶……なるほど…」
「せ、先生……?」
「いや、ごめん。なんか勘違いしてたみたいだ」
ぶつぶつ小さな声で何か呟いた後、急に何だか憑き物が落ちたような晴れやかな表情を向けられて、私は何が何だかわからないまま。
一体なにを勘違いしていたんだろう。
「見たかったな、瀬尾さんのメイド姿」
「ええ?!」
「可愛いだろうなって想像した」
「や…止めて下さい。さっきまで働いてほしくないって言ってたのに…」
メイド服姿を先生に見られる想像をしたらとんでもなく恥ずかしくてウニで顔を隠すと、今度こそ九条先生は私から取り上げてレジへ向かった。
「まぁでも心配なことに変わりはないかな」
「え?」
「あんまり可愛い格好してるの、他の男に見られたくない」
振り返りざまに投げかけられた言葉に、ぶわっと顔全体に血がのぼる。
なんだか聞きようによっては独占欲を感じるフレーズにドキドキしてしまう。