甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています
柔らかくてあたたかい感触は、しっかり重ねるように押し当てられた後、ゆっくりと離れていく。
私は瞳を閉じることも出来ずに、ただ呆然としたまま。
「君が好きだ」
一気に心拍数と体温が上がり、今キスをされたのだとようやく理解したばかりだというのに、先生は私にさらなる追い打ちをかける。
「仕事に信念があって一生懸命なのも、ご飯を美味しそうに食べるところも、甘えるのが下手なところも。出会って日は経ってないけど、ずっと瀬尾さんのことを考えてる。君の全部が愛しい」
真っ直ぐに見つめられたまま放たれる甘い言葉に、胸の奥がぎゅっと痛むほど締め付けられる。
苦しいのに、嫌じゃない。
九条先生にそんな風に言ってもらえるなんて、ときめきと緊張で身体が震えてしまいそう。
「先生…」
「俺は医者で、来月からは病院勤務になるから忙しくなる。休みの日の呼び出しも珍しくないし、正直寂しい思いをさせないとは言えない。それでも、俺は君とこれっきりにしたくない」
私も同じ。先生と今日でお別れなんて寂しい。
「今日みたいに他の男に告白された時、『彼氏がいる』って断って欲しい」
それは…。
私の都合の良いように捉えていいの…?