甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

自分に自信なんてない。
私は特に目立つ容姿ではなく、スタイルが良いわけでもない。学歴も大学中退で、仕事だって正職員じゃなくバイト採用。

先生に釣り合うとは到底思えない。

それでも私は先生が好きで、先生も私がいいと言ってくれた。

きっぱりと『遥がいいんだ』と言葉にしてくれた先生に、これ以上なにを躊躇うんだろう。


「…先生に、あけてほしい」
「遥」
「変わる運命も痛みも、恋も……全部、先生と一緒がいいです」

胸に燻っていた本音を思い切って伝えれば、先生は嬉しそうに私を抱き寄せた。

「ありがとう、遥」
「先生…」
「来月から忙しくなる。それまでに、たくさん会おう」
「はい」

片手でウニを抱きしめたまま、もう一方の手で目の前にあるスーツのジャケットの襟元をきゅっと掴んでみる。

彼の想いを受け止めて、自分の気持ちも打ち明けたというのに、なんだかまだ現実味が薄い。

もしかしたら夢なんじゃないかという思いがどこかにあって、消えてしまったらと考えると怖くなる。

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