甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

細長いグラスは先生のジントニック、三角のカクテルグラスにはピンク色の可愛いカクテル。

料理はシーザーサラダや生ハム、ミートソースのパスタ、マルゲリータなどが並ぶ。

「乾杯しようか」
「はい」

カチンと控えめにグラスを合わせてカクテルグラスに口をつける。

「わぁ、いちごだ!甘くておいしい」

アルコールの香りもほのかにするけど、飲み口が甘くていちごの果汁がたっぷり入っているのが分かる。

「遥のイメージで、あまり強くならないように作って欲しいとお願いしたんだ」
「私の?」
「きっとバーテンダーも、店に入ってきた遥を見て可愛らしい印象を持ったんだよ」
「…うれしい」

自分のイメージでカクテルを作ってもらうなんてちょっと恥ずかしいけど、こんなに可愛いカクテルなのは素直に嬉しい。

「あ…、綺麗…」

ふと見た窓の外はオレンジ色の夕日がビル群の向こう側に沈み、空の色が青から紫、ピンク、オレンジと美しいグラデーションになっている。
きっとあと1時間もすれば、目の前の景色はきらびやかな夜景に変わるんだろう。


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