△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~
「あの時言ったよな?もしバレるような事をしたらこの写真をネットにばらまくって!?おまえはバカだから、もう忘れちまったのか?あぁッ!!」
「………ッ」
あまりの凶変ぶりに、虹雫は呼吸さえも出来ずに男の顔を目を見開いて見つめるしか出来ない。
次は何をされる、殴られる?蹴られる?刺される?締められる?
恐怖から目を離せなかった。
「こんな写真なんかいくかでも現像できるんだ。お前のマンションや職場の前のばらまくか?」
「んー!!」
「本当にネットに載せるぞ!」
「…………」
澁澤の顔を大声が、虹雫の目の前に突き付けられる。必死に顔を横に振るが、それさえも男は許してくれない。
引っ張られている頭と、押し付けられている顔や背中が痛む。けれど、それよりも目の前にいる顔を真っ赤にして罵声を浴びせてくる彼を見るのが怖くて仕方がなかった。
助けて欲しい。誰か助けて。
けれど、そこでハッとする。誰が助けてくれるんだろうか、と。
剣杜は、映画に出る事になっている。きっとこの男とも会う機会があるはずだ。そうなると、剣杜は助けにこれない。
宮は虹雫からの連絡を拒んでいる。
誰も、自分を助けてくれないのだ。昔とは違う。
もう自分で逃げなければいけない。
そう思うと、涙が瞳からにじんできた。