△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~
▲△▲
「虹雫は、寝たのか?」
「おっそいわ。何やってたんだよ……」
「仕事の電話が入ったんだ。悪かった」
宮が虹雫のマンションの戻って来たのは、剣杜が部屋を出てしばらく待ってからだった。
宮は、ビニール袋に水やスポーツドリンクや栄養ドリンク、ゼリーやカットフルーツなど沢山のものを買って帰って来ていた。
「これ、虹雫に」
「自分で渡せばいいだろ」
「鍵を預かったのはお前だろ」
「それは、おまえが逃げたからだろう。何、いつまであいつから逃げたんだよ」
「………」
そう問い詰めると、宮は無表情のまま来た道を戻ろうとした。
宮はいつもこの話になると逃げようとする。剣杜はさすがにイラっとして、宮の事を引き留めた。
「まだ話は終わってない。おまえ、いつになったら虹雫の気持ちに答えてやるんだ?」
「……俺は、虹雫に何も言われてない」
「言われなくてもわかってんだろ!?あいつは、宮に惚れてるって。ずっとだぞ。俺が気づいてんだ、おまえだって気づいてるよな。この話は何回もしただろう?とぼけてんじゃねーよ」
「その話しはしたくない……」
そう言って、宮は剣杜にビニール袋を押し付けた。
いつもなら、話にならなくてここで話を終わらせてしまう。けれど、あんなに弱弱しく笑う虹雫を見た後に引けるはずがなかった。
「虹雫、職場の男に告られたらしいぞ」
「……なんだよ、それ」
「どうするんだよ。少し迷ってるらしい」
「………」
宮の顔色が一気に変わった。
焦りと戸惑いそして、動揺から、呆然と一点を見つめている。こんな状態の宮を見れば幼馴染でなくてもすぐにわかるだろう。
「………嘘だよ」
「は?剣杜、おまえふざけるなよ………」