△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~
「んー………、やっぱり予定変更ッ!」
「え、どうした?」
「今日は宮の話を聞きたいと思います」
「どうしたんだ、急に……」
「それは私のセリフだよ」
突然予定の変更を決めた虹雫は、宮の手を掴むとズンズンッと進んでいく。
何故か少し怒り口調の虹雫に圧倒され、宮は黙って彼女についていく事にした。彼女が案内したのは近くの公園だった。街中にある小さな公園で、遊具は滑り台とブランコしかない。小さな子どもとその母親らしき女性が遊んでいたが、ベンチは空いていたので2人で肩を並べて座った。
「はい。では、宮さん、お悩みをどうぞ」
「悩みなんてないよ」
「嘘つかないの。幼馴染同士、嘘なんかつけないでしょ。最近、ボーっとしている事多いし。心配してたんだけど。それとも、なんか話しにくい事?」
「いや、そういうわけじゃないけど………」
次の言葉を渋っている宮を虹雫はジッと笑顔で待っていた。宮が話をしてくれると信じている。そんな表情だ。彼女にそんな風にされては黙っているわけにはいかない。それに心配をかけてしまっていたというのも、申し訳なくなってしまう。自分の悩みを打ち明けるというのはどうも恥ずかしいが、彼女に誤魔化せるわけはないと諦めて、宮は重い口を開けた。
そして、虹雫に進路希望の紙が提出出来ていない事、自分にはやりたい事がないを相談した。こんな話は誰にもした事がなかったので、どうも話にくく虹雫の方を向かずに視線を地面に向けて話した。さわさわと風に吹かれて雑草が揺れている。穏やかな午後のはずが、何だか先生と面談をしている気分だった。