△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~
シャワーを浴びた後、どうにか澁澤の誘いをかわし、ルームサービスでワインを頼み2人で飲むことにした。
だが、澁澤との距離はどんどん近くなっていく。解析が終わったら、合図があるはずなのだが、それがないことから剣杜はこの場所から動くことが出来なかった。
(本当にこいつと寝る事になるぞ。殴ってでも阻止するとしても、なるべく暴力沙汰は避けなきゃいけないしな。……蜥蜴の奴、早くしろッ!!)
にこにこと笑みを浮かべながら、内心では焦りと蜥蜴に対する怒りの声を漏らしていた時だった。
ぐわんッと視界が揺れた。
(まずいッ!薬か………?)
澁澤は、虹雫の時も薬を使ってホテルに連れ込んでいた。
それを考えれば、同じことをされると警戒するべきだった。が、よく考えると澁澤とは同じものを飲んでおり、剣杜のグラスに澁澤は1度も触れていないはずだ。もちろん、剣杜も席を離れていない。
不審に思い、今にも倒れ意識を手放しそうになりながら、視線だけ澁澤の方へと向けた。
すると、澁澤はそうそうにベットに倒れ横になっていた。真っ赤なワインがシーツの上に染みになって広がっていく。
(……澁澤まで眠らされてる、どう……いう、事だ……)
そこまで必死に考えたが、その後は強い眠気に襲われグラスが床に落ちて割れる音を耳に入れながら、意識は闇の中に落ちていった。