△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~




 「あの時は、冷静に話しているようでかなり怒っていたのがわかった。そして、急だがすぐに作戦を決行したいって言われたんだ。もう一刻の猶予もない。虹雫をこれ以上苦しめられないって言っていた」
 「宮……」


 澁澤が虹雫に近づかないように、監視をしていたのだろう。そんな中でも接触。だから、宮はすぐに虹雫の家に駆け付けたのだ。悔しさをにじませた表情の本当の理由を、虹雫はこの時に初めてわかる事が出来た。
 それからホテルで剣杜と澁澤が会う事になり、隙を見てPCをすり替えて中身を蜥蜴が解析。その間、恋愛対象が男だという澁澤に誘惑をしていた剣杜だが、それを助けるために酒を飲ませる予定だったが、実はそれには即効性の睡眠薬が入っており、2人共眠ってしまったという。剣杜は別室に移動させられ、眠っている間に宮と澁澤は対峙したのだろう。
 そして、澁澤を警察に引き渡す時に宮自身も取り調べを受ける事になったのだろう。と、剣杜はゆっくりと丁寧に説明をしてくれた。

 
 「そんな………自分の時間も仕事も全部かけて宮は澁澤の事を追ってくれていたの?ど、どうしてここまでして」
 「そんな理由なんて1つしかないだろ。宮はおまえの事が好きだったんだよ。何を犠牲にしてでも守りたかっただ。だからこそ、澁澤のした事が許せなかったんだろ。宮は虹雫を本気で愛してたんだ。虹雫だって、わかるだろう?」
 「…………普通にしている時だってずっとずっと優しかった。大切にしてくれるってわかってたよ」
 「うん……」
 「それなのに、裏ではそれ以上に私を大切にしてくれて、私だけじゃなくて私が作ったモノも夢も愛して守ってくれてたんだよね………」
 「あぁ、そうだな」
 「私、愛されてたんだね。それなのに気づきもしないで、片思いだと思って、バカみたい。お試しなんかじゃなかった。もうずっとずっと両想いで、恋人になれたんだ……」



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