△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~
4話「お試し」




   4話「お試し」





   △△△



 宮と剣杜と会った次の日。
 体調が心配だったが、早めに寝たからだろうか随分すっきりと目覚める事が出来た。
 スマホの電源を入れると、宮と剣杜からメッセージが入っていた。3人のグループメッセージだ。


 「無理はするなよ」
 「虹雫は大丈夫か?今日はお祝いありがとう。次は俺が見せを予約しておく」


 そんなメッセージが入っていて、朝から笑みが浮かんでいた。「元気になりました。2人共ありがとう。次も楽しみにしてるね」とメッセージを送信し、虹雫は出勤の準備をした。


 昨日、2人に相談した絵本の読み聞かせ会の引継ぎの話を上司に相談をすると。「なるほどね。それはいい考えだ、さっそく作ってみようか」と、即採用された。そして、職員にも通達され、ボランティアの先生にも伝える事になった。「確かに今までなかったわね。絵本を決めておくと、子どもも楽しみだろうし、いい考えだと思うわ」と、褒めてもらう事が出来て、虹雫はホッとしながら仕事をする事が出来た。
 そして、仕事を終えて職場を出てから、嬉しさが込み上げて来て思わず笑みが零れた。


 「今日は、何かご褒美を買って帰ろうかな。んー、ケーキがいいかな。アップルパイの専門店にするか、チーズケーキにするか」


 そうブツブツと独り言を漏らしながら歩いていた。
 すると、目の前に見慣れた車が止まっていた。黒の高級車で、虹雫は「運転手さんがいるみたいだね」と言って笑われた思い出がある車だ。その車の持ち主、運転席から昨日会ったばかりの宮が姿を現した。



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