△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~



 確かに、会社に問い合わせのメールをしたり、新作を出版する話になった時はしっかりと調べ、協力してもらえたら心強かったし、宮が大体的に動く必要もなくなっていたかもしれない。
 けれど、一条も沢山の作家をかかえ、作品を世に送り出しているのだ。1人の作家が盗作をしたか、など詳しく調べられない事もわかっている。
 だから、映画が成功した時には「もう大丈夫です」と伝えたいな、と虹雫は思っていた。


 「それにしても、遊馬さんには騙されたわ。恋人を助けるために私に近づいて色気で情報を聞き出そうとするなんて。やってくれたわね」
 「い、色気ッ!?」
 「虹雫の作品を取り戻すためなら、何でもやるつもりだったので」
 「謝らないところもまた、男らしいというかなんというか」


 一条は腕を組みながら、大きくため息をつく。宮はそれでも、「すいませんでした」と小さく頭を下げるだけだった。


 「宮、ご迷惑かけたんだから、しっかり謝らないとだめだよ。一条さんには沢山助けて貰ったんだから」
 「いいのよ。そのおかげで盗作を解決出来たんだから。でも、遊馬さんはあなたのためなら、何でもやってしまうみたいだから、気を付けた方がいいわよ。しっかり見張っておきなさい」
 「はい。そうします」
 「虹雫、そんなに即答しないでくれ……」
 「ふふふ。虹雫さんは、素直でかわいらしいわね。さて、話しはそろそろおしまいにして映画上映にしましょうか」




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