△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~
上映会が終わった後、簡単な打ち上げがあった。だが、スタッフ達はやることが山積みのようで、すぐに解散となったのだ。そのため、いつもの幼馴染3人は一緒に食事をとることにした。
個室のあるレストランで食事をしながら、映画の話を続けていた。が、そのうちに澁澤を捕まえた後に宮が警察に連れ行かれた時の話へと変わった。
「じゃあ、宮はもともと警察に捕まる予定だったんだな」
「まぁ、な。蜥蜴との契約上、そういうことになっていた。けど、澁澤を警察に突き出した後にしばらくは大丈夫だと思ってたんだけどな。虹雫を迎えにいくつもりでいたけど、何故か警察がすでにホテルに居たのは今でも不思議なんだ」
剣杜はあの事件後に映画の撮影などで忙しくなりなかなか会えない日が多かった。
そのため、解決した後に詳しく話を聞く時間もなく、今日に至った。が、今の宮の話を聞いた剣杜は何故かバツの悪そう表情を浮かべ「あー、悪い」と謝罪をした。
その言葉の意味を宮も虹雫も理解できずに首を傾げる。
「剣杜、何が悪いなの?」
「その警察が思ったより早く行動していたの。俺のせいかもしれない。いや、俺のせいだ、絶対に」
「どういう事?何か心当たりでもあるの?」
「いや、その。宮が澁澤の事をずっと調べてた事や作品を聞いただろう?それで、危険だと思って、相談してたんだ」
「え、それって警察に?」
「警察なんだけど、まぁ、そうじゃないというか……」
歯切れの悪い言葉で、何故言葉を濁す。
剣杜が警察に情報を流していた。それは初耳だったので、宮も虹雫も驚いてしまった。
そこまで宮のやっている事が危険だと判断したのだろう。
と、その時だった。
貸し切りの部屋に、3人以外の男の声が響いた。それは、3人が聞き覚えのある声だった。