△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~




 「剣杜は、俺に相談してたんですよ」
 「………え?!」
 「く、朽木さん!?」


 そこに居たのはスーツ姿の警察官、朽木だった。
 突然の登場に2人は驚いていたが、剣杜は「あー、やっと来たのかよ」と言い、自分の隣の席に座るようにすすめた。虹雫は全く状況が飲み込めずに、その朽木をまじまじと見てしまう。
 朽木は、ホテルの駐車場で澁澤と宮を発見した人物でもあり、虹雫の取り調べを行った人物でもあった。そんな彼がどうして剣杜が相談した人物なんだろうか。
 驚きで言葉も出ない2人をよそに、剣杜はさらに衝撃の事実を伝えた。


 「朽木は、俺の恋人なんだ」
 「な………ッ」
 「こ、恋人ッ!?」


 絶句している2人をよそに、剣杜と朽木は「あー、やっと話せた」と、リラックスした様子でお互いに笑いあっていた。その空気はとても穏やかで優しいものだった。
 そして、その時に虹雫は気づいたのだ。2人の右手の薬指には同じシルバーリングがはめられており、それは年季の入ったものだと。

 「こいつ、警察官でサイバー課なんだよ。だから、蜥蜴みたいにハッキングとか得意だから相談したんだ。そして、危険な事がないか宮や虹雫をサポートして欲しいって」
 「なので、少し監視したり、調べたりさせてもらいました。ですが、宮さんが雇った蜥蜴という男は、警察でも有名な男なので、ボロなど1つもなく、痕跡も全て削除してありました。この事件を追っていれば蜥蜴も捕まえられると思いましたが。しっぽさえ残してくれませんでしたね」
 「でも、あいついい奴なんだろう?」
 「警察では追えない事件や理不尽な事件の依頼ばかりを受けるので、なかなか捕まえにくいんだ。まぁ、逃げ足も速いから捕まえられないんだが」
 「………」
 「………」


 驚きすぎて声も出ない2人をよそに、剣杜と朽木は話を進める。
 が、そこで剣杜は「おまえら、何か言えよ」と、少し恥ずかしそうに頬を染めながら強い口調でそう言う。そんな姿でも、2人が愛し合っているのがわかる。




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