△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~
エピローグ





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 『夏は冬に会いたくなる』が公開されると、瞬く間に話題になり、SNS上で感想が飛び交い、かなりの人気になり劇場では満席になる事が多くなっていた。
 原作もさらに売れ始め、虹雫が書いた最新作である続編も重版が次々に決まり、ヒットしていた。


 「虹雫、あった?」
 「売り切れだってー」
 「すごいな。本当に人気作家だな」


 虹雫と宮は、本屋で新作の本をチェックしていた。
 虹雫の小説が並んでいるところを見たかったが、映画が公開されてからはすぐに売り切れてしまうため、なかなか目にすることができていなかったのだ。この日も何件か本屋を見てまわったけれど、新刊は置かれていなかった。
 嬉しい反面少し残念だったが、宮に褒めてもらうと、嬉しくなる。

 虹雫は宮の手を取り、街中を歩いた。
 今日は久しぶりのデート。虹雫もPCと向き合うばかりでなかなか外出出来なかったが、宮も忙しそうにしていた。宮は、新しい仕事を始めていた。昔から、語学が得意だった彼は塾の講師や翻訳の仕事をするようになっていた。人に教えたり、言葉の表現が難しい、と言っていたがとてもイキイキと働いているのが見てわかった。
 今までは自分の事よりも虹雫のために動いてきたのだ。それはとても嬉しいし、ありがたかったけれど、これからは自分のやりたい事をやって生きて欲しい、虹雫はそう思っていた。


 「次の小説の舞台は、フィンランドにするんだって?」
 「うん。ちょっと日本から離れてみたいかなって思ってて。まだ迷ってるんだけど……」
 「現地に取材に行くときは、俺がガイドする。通訳ぐらいは出来るから」
 「ほ、本当!?」
 「あぁ。そうやって海外を巡るのも楽しいと思わないか?」
 「うん!とっても」


 宮の提案に、虹雫は大きく頷いた。
 知らない世界を知るのはワクワクし、好奇心をくすぐる。どんな生活、文化、人、生き物、そして物語があるのか。今から楽しみで仕方がない。



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