△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~
7話「サプライズデート」
7話「サプライズデート」
宮は天才だ。
学生の頃は学年1位はあたりまえで、彼がトップ以外をとったのは高熱を出しながら試験に臨んだ時以来で、それ以外を虹雫は見たことがなかった(それでも学年2位だったが)。
全国模試でもいつも上位におり、先生たちからの信頼も厚い優等生だった。生徒会長などは「そういうのは苦手」と断り続けていたが、いつも推薦されるほどに優しく、生徒からも人気があった。また、背が高くて、容姿も整っており、クールだけれど話しかければ優しいという性格。そうければ、女子からは好意を寄せられる事も多く、バレンタインの日は毎回すごかった。けれど、宮はそれを「好きな人しか受け取らないことにしてる」と嘘の言い訳をして、貰わなかったので「きっと切ない片想いをしているに違いない」「すでに両想いの社会人がいるのだろう」などの噂が流れ、ミステリアスな男性といして更に人気を博してた。
そんな宮だったが、有名大学の在学中に起業をした。けれど、その会社が売れてきた頃にすぐに売ってしまったのだ。起業家という職種だと宮は教えてくれたが、虹雫には詳しくはわからかった。
「いつも迎えに来てくれてありがとう」
「時間がある時が多いから気にしないで。あ、でもやることはやってるから安心してね」
「会社を起業してるの?」
「最近はやってないよ。今は投資とかしてて、収入はそこそこあるよ」
「そこは心配してないけど…。いつも申し訳ないと思って」
「俺が虹雫に会いたくて勝手にやってる事だから、心配しないで」
「……宮は私が喜ぶ言葉をよく知ってるんだから」
「幼馴染みでもあるからね」
仕事終わりにいつものように迎えにきてくれた宮は、シートベルトを閉めながらそう言い笑うと、そのまま車を発進させた。