△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~
宮と虹雫がお試しの恋人になってから、1か月が経とうとしていた。
毎日連絡を取り合い、仕事終わりや休日に頻繁に会うようになり虹雫は、日常が色鮮やかになったようだ、と笑顔で教えてくれた。。毎日が不安で、宮と会えない未来を想像していた頃とは全く違った表情をしている。好きな人と付き合える事の喜びを噛みしめているようだった。
「なるほど、だからそんなに腑抜けた顔をしてるんだな」
「え、私そんなにひどい?」
「惚気話をしている時はな。幸せそうで何よりだよ」
「ふふふ、ありがとう」
サングラスを身に着けた剣杜は、虹雫と共に夜の街を歩きながら、宮との話を聞いていた。
剣杜はそれを、楽しそうに聞いていた。2人が恋人になった事を応援したいのだ。
この日も食事会がある予定だったが、剣杜が遅くなるという事で2人で街をぶらぶらと歩いていた。
人混みと眩しいほどのネオンの光で、剣杜に気付く人はいない。むしろ、夜にサングラスをしている方が怪しまれそうだった。
「あ、本屋さんに寄っていい?新しい本を買いたかったの」
「わかった。俺は全然読まないからな。短い本でも買ってみようかな」
「本当?だったら、私のおすすめを教えるよ」
「司書さんに選んでもらえるなんて光栄です」
「感想文書いてもらおうかな」
「うわー、学校みたいじゃん……」