△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~
虹雫の言葉を聞いて微笑んだ宮は、ゆっくり虹雫に近づき、前髪に触れた。
そして、優しく髪を指でとかしたと思うと、額に小さなキスを落とした。
「宮………」
「さ、お風呂をどうぞ。待ってるよ」
「うん」
虹雫は、準備をした後に脱衣所まで向かった。
この時に宮は心の中で「我慢だな」と呟いていた事に虹雫は気づくわけはない。
大きなベットで2人でくっついて眠る。
大人になり、宮の事が好きだと自覚してから、彼と一緒に眠るなど想像出来ただろうか。
2人でベットに入り宮に抱きしめられて、彼の胸の中に自分の体が収まる。初めは緊張のあまり体が硬直してしまっていたが、彼が頭を撫でてくれたり、ゆったりとした呼吸と鼓動が聞こえてくると、安心してしまう。
宮は好きな人であり、幼馴染であるんだ、と改めて実感した。
「宮、好きだよ」
彼の寝息が聞こえたと思い、幸せのあまりそんな言葉が自然ともれた。
あまりにも小さい声。それなのに、夜の静けさの中では大きく感じられる。
けれど、宮は起きないだろう。そう思って、自分だけの秘密にしようとした。
が、それは違った。
彼の腕の力が強くなり、グイッ頭を押され顔が彼の胸に密着する。
突然の事に驚き、虹雫は小さく彼の名前を呼んだ。
「俺も、虹雫が好きだよ」
耳元で聞こえる、吐息混じりの声。
大好きな男の人の夜の声。それを聞いて鼓動が早くならないわけがなかった。
虹雫の緊張はすぐにおさまり、安心して眠る事が出来たのだった。