△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~
「大丈夫?そんなに一気に飲んで」
「だって、美味しいから。宮も飲んでみて」
「わかった。けど、このワインは結構強いから気を付けて」
「大丈夫。大丈夫だよ……」
だが、最近ずっと隠してきたこの思いが、最近は我慢出来なくなってきた。
大人になればなるほどに不安になるのだ。宮に恋人が出来たら?結婚してしまったら?そう考えると焦ってしまう。
けれど、告白をしてギクシャクするのも怖い。
宮だけではない。剣杜だって結婚すれば、なかなか会えなくなるだろう。今でさえも、仕事で忙しくて時間を見つけて来てくれているというのに。
自分の寂しい思いを察知して、2人が会ってくれているのはわかっている。
この心地のいい居場所がなくなってしまう。
そんなタイムリミットが近づいてきているのを感じ、こんなに近くにいるのに寂しいと思ってしまうのだった。
「どうかした?」
「……ううん。何でもない。このワインおいしいなーって」
宮の優しさが嬉しいはずなのに、切なくなる。けれど、今、この時間を楽しまないと後悔をする。そんな思いで、虹雫はマイナスな感情を押し殺して2人に笑顔を向けたのだった。