サイレン

六.

着信履歴が自分の番号で埋まってしまうのではという勢いで、電話をかけ続ける。





それでも彼は出ない。





(どうしたの? 何かあった?)





メールを送るが、返事はない。





頭の中が混乱する。










どうしよう。









先ほどのサイレンを思い出す。


彼に何かあったのかもしれない。


また、私の元から、大事な人が、いなくなってしまうのかもしれない。









いや!

そんなの、

絶対に、

いやだ!!









叫びそうになった次の瞬間、


焦げ臭さを感じて振り返る。










え?










私は自分の目に映る光景を疑った。










燃え上がるカーテン。










いつの間にか、部屋中が、火の海へと化していたのだ。
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