サイレン
炎の中で、



祈るように助けを待った。












姿勢を低くし、床にはいつくばっていたら、


彼とおそろいで買った写真たてが、


転がっているのに気がついた。











写真の中の二人は笑っていた。




なんだか懐かしい。




穏やかな、笑顔だ。






暑い。
熱いよ。






誰か・・・










『ピンポーン』








気を失いかけたそのとき、部屋の呼び鈴が鳴った。
< 17 / 19 >

この作品をシェア

pagetop