サイレン


(行くから、待ってて)


確信を事実と確定づけるメールが届いて、パジャマ姿の私は手ぐしで頭を整えた。


彼が到着する時刻を逆算し、コートを羽織って表へ出た。


静まり返った夜の空気に、鋭い寒気が突き抜けていた。


粉砂糖を振るったように、薄く雪が積もっている。



「サムイ…」



白くなった息で冷たくなった指先を暖めた。

もう、着いても良い頃なのに。

彼から届いたメールを確認する。





あと2分で電話しよう。
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