Livre magic〜終わりの始まり〜
リオンたちは、ノワールが物の怪に攻撃をするのをただ見ていた。否、戦闘態勢を取りいつでも援護できるようにしている。
「リオンさん、エリカ、あそこに!」
剣を構えていたシャルロットが何かに気付き、ノワールの背後にある家の屋根を指さす。リオンとエリカはその屋根の上を見て、ハッと顔を見合わせた。
屋根の上には、オズワルドがつまらなさそうな顔をして立っていた。その目はまっすぐノワールを見つめ、離さない。
「まさか、先生を?」
エリカが銃を構え、オズワルドを狙う。リオンはそれを慌てて止めた。
「リオンさん、何故止めるんですか!?彼は先生を傷付けたんですよ!?」
興奮するエリカとは正反対に、リオンは落ち着いた態度で口を開く。
「だからこそだよ。小説の中に人を閉じ込める事件を彼は引き起こしている。持っている魔力はこちらと桁違いのはずだ。何の作戦もないまま攻撃しても、こちらが不利になるだけだ」