Livre magic〜終わりの始まり〜
風が止んだ時、目を開けると電柱にしがみついていたのは僕とリオンだけだった。やはり、他のみんなは飛ばされてしまったらしい。

「フン。しぶとい奴め」

オズワルドさんはそう言い、消えていく。物の怪たちも僕とリオンを見下すような目で見た後、次々とどこかへ飛んでいった。その方向は全員バラバラだ。

「一体どこに……」

そう呟くリオンの手を、僕は素早く掴む。この街にいるのは僕らとオズワルドさんたちだけしかいない。

「エリカたちを探そう!エリカたちを攻撃するつもりなのかもしれない!」

僕はそう言い、リオンと共に走り出した。



「エリカ〜!メルキュール!」

「シャルロット!カズ〜!」

誰もいない街で、僕とリオンは走りながらみんなの名前を呼ぶ。でも、返事は返ってくることはない。代わりに物の怪たちが姿を見せるだけだ。

「ッ!敵に居場所を教えていただけってことか……」

リオンが立ち止まり、弓を構える。周りは物の怪に囲まれてしまっているため、止まるしかない。僕も剣を構えた。
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