Livre magic〜終わりの始まり〜

「ノワール！」

必死に戦っていた僕に対し、初めてリオンが叫んだ。そして僕の方へ飛んできた矢は、僕を背後から攻撃しようとした物の怪よ額に命中する。

「ありがとう、リオン！」

お礼の代わりに僕はリオンの周りにいる物の怪たちを斬っていく。物の怪たちが次々と地面に倒れていった。

どれほどの時間がかかったのだろうか。あれだけ騒がしかったこの場所は静かになり、僕とリオンは肩を大きく上下させて荒い息を吐く。十体以上いた物の怪たちを全員倒せた。

「やったな、ノワール」

リオンが拳を僕に出す。僕はその拳に自身の拳をコツンとぶつけ、「ああ」と微笑んだ。

この調子ならきっと、エリカたちを助けてオズワルドさんを倒せる。本当に平穏な日常が戻る時は誓い。

その時、大きな悲鳴が僕の耳に入る。この声はエリカとシャルロットだ！

「行こう！」

リオンを見つめ、僕は走り出す。どうか無事でいてくれ……。剣を握る手に力が入った。