溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜
すれ違う離れる距離。
若干の気まずさが残る心休まらない休日を終え
月曜日からまた仕事。
然さんの会社で働かせてもらうようになって
初めの頃の練習がてらの試し撮りは終わり
ようやく彼の手掛けるブランド広告用の撮影がスタート。
順調に進んできた矢先の出来事だった――――
AM10:00
「あれ?然、いないんだ」
事務所を尋ねてきた美南さん。
「うん。
今朝は早い時間から会議に出たっきり
まだ戻ってきてないんだよ」
「あ、そう…
じゃぁ待たせてもらおうかな。
まだ時間もあるし」
腕時計で時間を確認し
来客用のソファに腰掛ける彼女へ
私はお茶を出す事に。
美南さんとこんな普通のやり取りが出来るようになったのも、ボヤ騒ぎの一件から敵意を向けられなくなって少しだけど話をするようになったから。
私達の関係性にも変化があったのかもしれない。
「ねぇ由凪さん
これ見て」
そう言って
持っていた他社のファッション雑誌をテーブルに広げ、とあるページを指さした。