溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜
この手を離さないように…
ニュースに取り上げられた事により
盗作事件は一気に展開が変わった。
デザイナーの裏切りに
相手社長は謝罪会見を行う事になり
警然さんを脅した罪で警察も関与する事に。
「一時はどうなるかと思ったけど
さすが俺。見事に解決してやったぜ」
新聞を広げ
事務所のソファに足を組んでドヤ顔する桐生さん。
確かにあっぱれでございます。
「調査も入ったみたいだし
これで一先ず俺も開放される」
桐生さんに対面する形で然さんもソファに座り項垂れている。
これで本当に終わったんだと
私もホッとしているのは間違いない。
だけど…
フラれてしまった日から
実は1度も仕事以外で話をしていない。
それどころか
ほとんど顔を合わせていない。
時折なにか言いたそうにする時があるから
彼自身もじ気まずいのかもしれないけれど
私が逃げるように避けてしまっているから
余計にギスギスした雰囲気になっているんだと思う。
このままで良いワケがない。
決めた私の気持ちも
ちゃんと伝えなきゃいけない―――――