待ち人、音信なし
本当にするのか。
目の前に座るレイラが手をひらひらと振った。
「別に彼氏作ろーってわけじゃなくて、男女で楽しく飲みましょうの会だから」
「あー……うん」
「もしかして彼氏いる?」
「いないよ。行くね」
行くことに関しては特に何も思わない。
ただこう、心の端にちらちらと見える何か。
隣に座ったトリーが腕を絡ませる。
「行ったら感想教えて」
「そういえばトリーの意中の彼はどんな人なの?」
「そりゃめっちゃ格好良くて……」
トリーの通い詰める美容師の彼へ話題は変わり、私たちはああでもないこうでもないと話した。