待ち人、音信なし
「自分の分は払います」
「ああ、そうかよ」
「払おうとしてますね? ノアさん!」
「うっせえ」
一蹴された。
そしてお会計が終わった。
レジカウンターにどん、と箱が出された。
「こちら東洋の国で伝わる、オミクジといいます。ひとつ選んだものに未来のことが書かれていると言われています」
私とノアさんの顔を交互に見て、どうぞ、と箱の取り出し口を向けてくる。
取るまで返さないぞ、という雰囲気が伝わり、私はくるくると丸まった紙のひとつを手に取った。ノアさんもそれに続いてひとつ取る。
「ご来店ありがとうございました」