待ち人、音信なし

それは、読めない上司に振り回されているから。

非常階段で寝たり。
ハンカチ要らないと返したり。
可愛いと言ってきたり。

もう大忙しだ。処理し切れない。

「大丈夫……」
「じゃ、合コンに集中しよ」
「あ、うん……」

ぐ、と親指を立てられ、笑って返した。

本日、晴天。そしてレイラが主催してくれた合コンの日。
レイラの友人の女性たちと、男性が揃っているらしい。

「しかも皆公務員だから。将来安泰だから」
「だ、だろうね……」

その圧に押されつつ店内に入れば、テーブルにはもう男女揃っていた。

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