待ち人、音信なし

どうしてアイザックは戻らなかったのに、と。
そういう昏くて浅い気持ちを誰かに向けていたかもしれない。

そして、ノアさんはそれを向けられたのだ。

どうしてお前は還ってきたのだ、と。

「ノアは愛想が無いのもちょっと要因だったりするけどね」
「半分くらいはそうだと思います。一問一答式だし」

その言葉が面白かったのか、所長はお茶を噴きそうになっていた。

「イヴって結構物怖じしないよね。今じゃノアと良いコンビだ」
「もう嫌われてるんだって開き直ってます」
「ノアが君を?」

きょとんとした顔を向けられ、頷く。

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