待ち人、音信なし
なんとなく持ってきたひざ掛けをその肩にかける。私は階段に座って、青い空を見上げた。
たまに鳥が飛んでいる。
西区、開放かあ……。
行けば、アイザックに会えると思っていた。
でも、そこにアイザックはいない。
会ったら、どうしたかったのだろう、私は。
「ありがとうって、言いたいな」
今は、そう思う。
「……誰に」
音もなく後ろにノアさんは居た。私のひざ掛けが肩に返ってくる。
「独り言です」
「そうか」
「ノアさん、こんな所で寝たら風邪ひきますよ」
隣に座り、並ぶ。
ノアさんがこちらを見ていた。