待ち人、音信なし
『毛布をかけてくれる女が、ノアには似合うよ』
『……掛けられたことがない』
『これから出逢えば良いんだ』
青い瞳が弧を描く。
毛布を掛けられるって、どこで起こる現象なのかと思ってはいたが。
『出逢えなかったら』
『神様はそこまで残酷じゃねーよ』
ははは、と陽気に笑った。
お前の命を奪った神が、本当に残酷じゃなかったか。
俺は未だ分からない。
「あ、やっぱりクリームコロッケが良いです!」
「……好きにしてくれ」
「え、ノアさんクリームコロッケ嫌いですか? 他のにします?」
「好きだ。それが良い」
俺が言えば、イヴは手を挙げて店員を呼び止めた。