僕らのワンシーン

「晴俊」

 数分前にかけた声と同じトーンで俺を呼ぶ。

 何?と少し体を離して、今度は額を密着させる。

 彼は目線を下に向けて恥じらいながら口を開いた。

「......好きだ」

 辛うじて聞き取れるくらいの声量で放たれた言葉は、換気扇の音だけが響く部屋に溶け込んだ。
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