僕らのワンシーン

 なんで急に、とでも言いたいような顔で訴えてくる。

 そしてカランとシャーペンが落ちる音がした。

 なんて軽い音だ。

 俺は重たい方が書きやすいのに、と関係ないことを考えながら腕を広げる。

「いや、まだ何も言ってないし。その手はなんだよ、謎の空間を作るな」

「そう遠慮しないでさ、休憩休憩。ほら」

 俺は自然と上がる口角に合わせて目を細くした。

 優晴は眩しい笑顔にこそばゆい感覚になる。
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