【短】春、二人だけの思い出を
ふたりで





怒涛のように時は過ぎて、寒さもいくぶんマシになってきた。

今日、明日と卒業式の予行練習があって明後日が本番。

まだ大学の合格発表前で一体自分が来月からどうなってるのかは分からないけど、高校生活はもう本当にあとちょっと。



外山くんとは週一で話をしていたけれど、12月からは私の受験勉強が忙しくなってそれもなくなっていた。


なので、昨日保健室を訪れたときには、外山くんに会うのがものすごく久しぶりに感じた。



外山くんは「最後だし卒業式は出席したい」と静かながらも力のこもった調子で私に伝えてくれた。

なんて声をかけるのが正解かわからなかったけど、「頑張って」と言うと明るい笑顔をくれた。

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