キャンディータフト
部活のない木曜日だった、小学生からの友達 羅夢(らむ)と私(なな)は、最近出たアプリTIKTOKの撮影に冒頭していた。 中学三年生の五月のことだった。受験や勉強の事なんてその時はなにも考えてない、ただ一つの画面に映る自分たちを見て笑い合っていた。
曲に合わせ、先に動画をあげていた子達の真似をしては動画をあげる。動画をあげるたびにくるコメントやいいねが嬉しかったのだ。
会ったことのない人からの「可愛い」 褒められることが嬉しかったのだ。 ましてや、周りが彼氏や好きな人とダラダラ帰ってる中、私たちは女かもわからない会話をしながら帰るほど、男との関わりがなく、知らない誰かに褒められることはとても嬉しく、舞い上がるのだ。
しかし、ひとつのコメントを見て心が張り詰めた
“なにこの子達、ただの芋やんwwww”
私たちには反論する勇気もない、ただそのコメントを見て恐ろしいと言い合いすぐさま動画を消すのであった。 私たちは忙しい。 褒められては喜び、それ以外のコメントが来たら身に危険を感じすぐさま動画を消さなければならないめんどくさいものだ。 その日から動画を投稿することはなかった。