スター 〜芸人の人生〜
やっと自分の立場が分かった吉田は、元妻の和江に電話をかけた。
《はい…》
久々に聞く元妻の声。
その声に涙が出そうになった。
「和江か…。俺や」
《あぁ、レイパーの人?》
和江は笑いながらそう言った。
「和江…、もう一度、俺と…」
《嫌よ!》
吉田の言葉を遮り、和江は続けた。
《何でレイプ未遂のあんたなんかと寄り戻さないといけないの?子供がイジメられるわ。あんたの犯した罪のせいで。じゃあね、一生電話かけてこないで》
一方的にそう言われ、電話を切った。
その後、事件の発端となった、あのさくらにも電話をしたが、番号は使われていなかった。
後輩にも電話をしたが、出る事はなく、折り返しの電話もなかった。
そこでようやく気付いた。
俺は嫌われている…
一人ぼっちなんだ… と。
そして、今に至る。