スター 〜芸人の人生〜
通話ボタンを押し、耳に当てる。
プルルルルル~…
プルルルルル~…
呼出し音が響いていた。
7回目のベルで受話器を取った枝津子ニャン。
フト、ピッキーと言う歌手のオートマの曲を頭の中で歌っていた。
枝津子ニャンなら、“名前を言わなくても声で、すぐ分かってくれる”だろう
そう思い、
「久しぶり~」
明るく元気に言った。
《誰!?》
ピッキーの曲通りには行くはずも無かった。
「俺…。智ポンやけど」
《智ポン…?え?…あぁ!あのレイプの!?
なぁなぁ、あの未成年レイプ未遂の犯人おるやろ?そいつから今、電話掛かってきてんねん!》
どうやら、枝津子ニャンは友達に言っている様…
「枝津子ニャン…、そう言うの辞めて…」
《うわ!“枝津子ニャン”とか言うてるぅ~!やっぱりレイプする奴は言う事も違うねんなぁ~》
枝津子ニャンの友達が言った。