ヤンデレな子犬系狼様の愛は重すぎる。
「で、他になにやればいい?」

「え、えっと……あ、あのっ……お、お布団が、私と瑠奈ちゃんと来楽ちゃんの分しかなくて……ご、ごめんねっ……?」

「じゃあ、一緒に寝れるね」

「ええっ……!?」

「いいでしょ?」

「う、うんっ……」

 俺……いま、自分を苦しめるようなことを言った……?

 まぁいいや。

 俺が苦しむということは、まぁ……凛と二葉もおんなじ目に遭うからなぁ。

「あ、じゃ、じゃあっ……お布団敷いてくれるかなっ……?寝るの、リビングでも平気?」

「うん、全然大丈夫だよ」

「よ、よかったっ……!ありがとう」

「ううん」

 本当に可愛いなぁヒヨはっ……。

 本当に、どうしてこんなに可愛いんだろう。愛しいんだろう。愛おしいんだろう。

「じゃ、じゃあ、そこのクローゼットに入ってるからっ……よろしくお願いしますっ……!」

「うん、わかった、あっ、ヒヨ」

「ん?どうしたの?」

「これ終わったら、ご褒美ね」

「ええっ……!?……う、うんっ……?」
 
 ふふっ、じゃあ頑張ろう。
 
 あとは……。

「もしもし」


 執事に連絡をして、材料を買って届けるように指示をする。

 そういえば……さっき、ヒヨを抱きしめた時、シャンプーのいい匂いがしたなぁ。

 桃の匂いみたいだった。

 自分も、同じシャンプーを使ったと思うから、おんなじ匂いだと思うと、気持ち悪いかもしれないけれど、嬉しい。
 
「んっ……!きゃぁっ……!!」

「わぁ」

 ヒヨが、クローゼットに入っているなにかを取ろうとしたのか、踏み台を置いて背伸びをしていた。

 けれど、届かないで足元を崩したのか、俺に追いかぶさってきたヒヨ。

 そのまま尻餅をついたけれど、ヒヨは無事なよう。

 わ、近っ……。

「わぁ!ご、ごめんねっ……?え、エプロンが取れなくてっ……」

「大丈夫だよ、あ、エプロン取る?」

「いいのっ……?」

「もちろんだよ」

 背が小さすぎて届かなかったのかなぁ?

 可愛いなぁ。

 ヒヨが可愛くて愛しくて、自然と偽りのない笑みが溢れる。

「あ、これ?」

「そ、そう!」

 そこには、すごく薄い色をした水色のエプロンが。

「はい」

「ありがとう!!」

 エプロンの紐を器用に結んで、エプロンを身につけたヒヨ。

「ふふっ、可愛いね」

「あ、ありがとうっ……?」

「このまま連れ去ろうかと思っちゃったよ」

「ええっ……!?」

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