テスト返却

「愛ちゃん?」
「ごめんね、うみちゃん。何かうみちゃんの言う私が別人のような気がして。」
「また、そんなことばかり言う!仮に、愛ちゃんが頑張ってなくても、嫌なら頑張ればいいんだよ!愛ちゃんは変わろうとする努力したの?」
うみちゃんに言われ、気づいた。
「…してない。」
「それに、頑張れないことはないよ?頑張るかどうかは自分で決められる。あと、愛ちゃんは頑張ってこの高校に合格したんだから」
「そうだね。うみちゃんありがとう!」

うみちゃんの言葉で元気が出た。どうして私はこんな単純なことに気づかなかったのだろう。本当に情けない。私はクラスメイトが頑張っている所を沢山見てきたのに。うみちゃんの言う通りだ。クラスメイトとの実力差も自分が嫌いなことも頑張れば解決する。私がどんなに「できない人間」でも中学時代までは頑張ったから勉強は得意だったのだ。これ以上、クラスメイトに取り残されたくなかったら頑張ればいいのだ。私が憧れて止まない偉大なクラスメイト達よりも。

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