私とあの場所と
~約半年後~
私は晴れて第1志望校に合格・入学を果たした。

少ないながらに友達もでき、充実した学校生活が始まった……

中学校1年生・夏休み明け
早くも暗雲が立ちこめる、、、
二学期始業式、友達だったはずの子が別の子と話しながら私の方を嫌悪感溢れる目で見てくる。なぜ?理由は分からない。

次第にクラス中、担任の先生までもが冷たい視線を浴びせられるようになった。

(痛い、怖い、、、)
教室の空気に耐えきれず図書館に逃げることが多くなり最後には授業時間以外のほとんどを図書館で過ごすようになった。

お昼休憩、なるべく早く昼食を済ませ教室を飛び出す。
誰も見ていない、分かっていても自分の視界にクラスメイトが入るのが怖かった。
涙が溢れそうになる。逃げ出したい私を図書館はいつだって変わらない姿で迎え入れてくれた。
私にとってそこに並ぶ本たちは1人で楽しむための、孤独を意識しないようにするための「お守り」だった。

(学校行きたくないな、でも借りたい本あるんだよね、、、)
毎朝、考えることは同じだった。
守ってくれる場所がある。ただそれだけの思いで私の足は通学路を辿った。

三学期、自分と同様にグループから外された子に手を差し伸べた。以前裏切った1人だった。許してはいなかったが自分と同じ思いをさせることはできなかった。
教室でおしゃべりすることも増え図書館へ足が向く頻度は減ってしまった。それでも放課後、時折 足を運んだ。何も変わらない暖かさがそこにはあった。何があっても大丈夫。信頼できる場所がいつでも待っていてくれるから。
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