愛して先輩っ! XXX
「私、勉強していないよ?」

「そうだな」



祐樹先輩が私の言葉に頷く。


うん。

祐樹先輩は私のことをよく見てくれている。

私が勉強をしていないことまで、よく見てくれている。

あまり嬉しくないけど。

というか、全く嬉しくない。



「赤点取ったらどうなるの……?」

「補習」

「補習で点取れなかったら、どうなるの?」

「呼び出されるだろうな」



……私、赤点、呼び出しは決定かもしれない。


頭を抱える私に瑠衣くんは手を差し出してきた。

手を握っている瑠衣くん。

私に元気をあげようと、飴でもくれるのかな。

優しい。


そう思って、私も手を差し出す。

その手に、ぽん、と、置かれたのは。



「鉛筆……?」

「問題分からなかったら、鉛筆転がせば大丈夫だよ!」



ニコニコ笑っている瑠衣くんを一発殴ってやろうかと思いました。
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