愛して先輩っ! XXX
「奈々ちゃんに、男子寮から退寮して欲しくてね」

「……え?」



思わず聞き返してしまう。

学園長の言葉を飲み込めない私。

それは、私だけじゃなくて、彼らも同じようだった。



「どういうことですかっ!?」



瑠衣くんがソファから飛び降りて私の目の前に立つ。

瑠衣くんの言葉に学園長は。



「君たちには言えない」

「なんでですかっ!」



声を荒らげる瑠衣くんを制したのは祐樹先輩だった。



「落ち着け」

「落ち着いてなんか……っ!」



どういうこと……?

なんで、退寮しなくてはいけないんだろう。

私はここにいたいのに。



「奈々ちゃん、おいで。詳しく話そう」



学園長が背中を向けて男子寮を出て行く。

私は学園長のあとを追う。

瑠衣くんの声も聞こえたけど、今はなにが起こっているのか知りたい。


学園長は玄関を出たところで立ち止まった。

私も玄関の外に出る。

扉が完全に閉まったのを確認してから、学園長は口を開いた。
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